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空洞化

わが国産業の空洞化防止に私は中小製造業をこう支援する
多能工化による短納期の実現

   (企業診断ニュース 2002/7 への投稿より)

2002.04.21    ムゲン(MGEIN)経営研究所
中小企業診断士
田中 義二

 省資源化を目指し使える部品の再使用、企業提携による部品の共通化、使えるまで使う消費者指向などで、製造業がつくる部品の数は減少傾向にある。加えて量産品は海外生産になり、中小製造業の今後は予断が許されない。生き残り策として、4年ほどの特許流通支援の経験から中小企業にあった良い特許は見つけることは難しいが、特許を譲り受けて製品・サービスに価値をつけ差別化を図ることが考えられる。この特許活用は経営資源に乏しい中小企業にとって大いに期待される。また、産学連携による共同開発も期待されるが、これらは多くの企業の現状の逼迫した状況を考えると、時間的余裕も少ない。そこで主に下請企業を対象にして、生き残り策を提案する。
 今までの発注企業が国際競争力のある製品を開発しても、中身の部品は主要部品を社内で生産し、それ以外多くの部品は日本以外でも造れる部品である。従ってコスト面から量産品は海外に行くのは避けられない。日本でも過去に土地代などインフラコストや人件費の高い、首都圏から地方に工場が進出した経緯がある。
 日本で生産しても海外からの輸入品に対抗できる、こと・ものを先に結論付ければ、少量品を扱いそれを短納期で提供することである。雑誌、テレビなどで紹介される高精度品などは、競争力はあるがそれは限られた部品に求められるものであり、全ての企業が潤えるほど種類は多くない。今後求められるのは、精度、性能など加工技術・技能に依存するものから、組織の総合的な仕組みに基づくソフトな部分で差を付けることである。
 少量の受注はプロダクトライフサイクルで言えば、開発段階の試作、発売初期の成長期当たりまでに対応することになる。あるいは設備関係などである。また成熟期においても数のでない製品を対象にすべきである。例えば福祉機器のようにカスタムメイドを受注するなどである。
 「ザ・ゴール」という図書が話題になっている。この図書の訴えたいところは、受注から納品までの全体を通して、一番ものが滞っているところに注目し、全社でそこの改善を図り、短納期と在庫を少なくすることである。この改善により営業活動をし易くし、売上を伸ばすことである。今まで組み立て現場も製造現場も分業による習熟により生産性を上げてきた。いわば部分最適、部分的な生産性向上を進めてきて、全体最適の意識は薄かったと言える。係、課、部 門という区切りを無くし、以前から言われている多能工化を積極的に推進し、製品の滞りに合わせ作業者が移動できるようにする必要がある。
 今企業が生き延びるには少量を数多く短納期で提供できる仕組みが進むまで、限界利益率の高い製品に特化し、格好を付けず規模の縮小を考える必要があろう。そして経営を立て直した後は、理想論である自社製品の開発に経営資源を投入することを期待する。

          


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